第28回:SNSで広がる“カフェのブランド力”戦略
カフェズライフのカフェ開業講座|実践型カフェスクールのブログ

SNSがカフェブランドを左右する時代へ
カフェの人気や認知は、いまやSNSで生まれ、SNSで育つ時代です。Instagramでの発信をきっかけにファンが集まり、TikTokの動画が拡散して行列ができる。そんな現象はすでに日常になっています。
飲食業界の調査でも、来店動機の上位に「SNSで見たから」が常にランクインしています。つまり、SNSは「広告」ではなく、「体験を共有するメディア」になっているのです。
① 写真と動画で“世界観”を作る
カフェのSNSで最も大切なのは、写真1枚・動画1本で世界観を伝えることです。
投稿ごとに色味・光・トーン・構図を意識するだけで、ブランドの印象は大きく変わります。
たとえば「木の温もり」「手作り感」「ナチュラル」など、キーワードを決めて統一感を持たせることで、ファンはあなたの投稿を見た瞬間に“あのカフェだ”と認識します。
動画では、調理音・コーヒーを注ぐ音・店内の空気感といった“感覚的な要素”を取り入れると印象に残りやすく、拡散されやすくなります。
② 投稿リズムを設計し、信頼を積み重ねる
どんなに素敵な投稿でも「続かないSNS」は信頼を得られません。
大切なのは、短期的なバズよりも“継続的な存在感”です。
おすすめの運用リズム:
- フィード投稿:週2~3回(曜日を固定)
- リール・ショート動画:週1回(メニューや雰囲気紹介)
- ストーリーズ:毎日1〜2回(仕込み風景やスタッフ紹介)
この“一定のテンポ”が、アルゴリズムだけでなくフォロワー心理にも良い影響を与え、「いつも見ている安心感」を育てます。
③ フォロワーを巻き込む“共創”の仕組み
成功しているカフェは、SNSを“一方通行の発信”ではなく、“お客様と一緒に作る場”として活用しています。
- ストーリー投票:「次の限定ドリンク、どちらが飲みたい?」
- UGC(ユーザー投稿):「#○○カフェの瞬間」で投稿された写真をリポスト
- リピーター限定キャンペーン:「フォロー画面提示で季節のスイーツプレゼント」
こうした“小さな参加体験”が、お客様を「フォロワー」から「ファン」へ変えるきっかけになります。
④ データを読み解き、改善を楽しむ
ブランド戦略の基本は“分析と改善”です。SNSでも同じで、反応率や保存数、来店につながる投稿傾向を把握することで、戦略の精度が高まります。
特に飲食業界では、「保存されやすい投稿=来店動機を生む投稿」とも言われています。
美しい写真だけでなく、「営業時間・価格・こだわり」を具体的に載せることで、保存されやすい投稿になります。
反応を数字で見ることは怖いことではなく、「ブランドをより深く理解するチャンス」です。
まとめ:SNSは“お店の入り口”ではなく“体験の一部”
かつてSNSは「宣伝」でしたが、今は「ブランドの一部」です。
投稿の1枚1枚が、お客様との関係を育て、ブランドの人格を形づくります。
大切なのは、バズよりも共感。数よりも“熱量”。
あなたのカフェの想いが伝わるSNSには、ファンが集まり、共感が広がります。
その積み重ねが、やがて「行列のできる人気店」をつくります。
次回予告:第29回は「店舗オペレーションを支える“バックオフィス”戦略」
売上を支えるのは“見えるお店”だけではありません。
次回は、人材・在庫・シフト・データ管理など、バックオフィスの力で安定経営を支える方法を紹介します。
