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第18回:カフェ運営にかかる“ランニングコスト”の把握と管理

第18回:カフェ運営にかかる“ランニングコスト”の把握と管理

カフェズライフのカフェ開業講座|実践型カフェスクールのブログ

なぜランニングコストの把握が重要なのか?

カフェを開業したあと、多くのオーナーが直面するのが「想像以上にかかる毎月の経費」。
売上がある程度安定しても、ランニングコストの管理が甘いと黒字化できないのが現実です。
損益分岐点の把握と支出の最適化は、安定経営の鍵となります。

① カフェ運営で発生する主なランニングコスト

以下が、一般的なカフェでかかる毎月の固定・変動費の内訳です:

  • 家賃・共益費:店舗の立地によって異なるが、売上の10〜15%以内が理想。
  • 水道光熱費:平均3〜5万円。冷暖房・厨房機器の使用状況で変動。
  • 人件費:スタッフを雇用する場合は、最低賃金+保険料。月10〜25万円前後。
  • 原材料仕入れ:売上の25〜35%が目安。ロス削減で変動。
  • 消耗品費・備品代:ペーパー類・洗剤など。月5,000〜2万円。
  • 通信費・POS関連費用:月1万〜1.5万円。
  • 販促費・広告費:SNS広告、フライヤーなど。月5,000〜3万円。

これらを把握せずに「なんとなく運営」してしまうと、知らず知らずのうちに赤字が続くリスクも。

② 実例データ:月商100万円のカフェ経費モデル

店舗データを元にした、月商100万円の小規模カフェにおける平均的な支出例です:

  • 売上:1,000,000円
  • 家賃:120,000円(12%)
  • 水道光熱費:50,000円(5%)
  • 人件費:200,000円(20%・スタッフ1名+オーナー)
  • 材料費:300,000円(30%)
  • その他経費:通信・消耗品などで50,000円(5%)
  • 粗利:280,000円(28%)

このモデルでは、「一定の人件費をかけつつも収益を確保する構造」が組まれています。
人材に頼る営業スタイルでも、利益を出すための価格設計・オペレーション効率が求められます。

③ ランニングコストをコントロールする3つのポイント

安定経営のために、以下の工夫が効果的です:

  • ①固定費の見直し:家賃交渉・通信費のプラン変更など。
  • ②仕入れの最適化:ロス削減・仕入れ先の再交渉・原材料の見直し。
  • ③数値管理の習慣化:会計アプリ・Excelでの月次収支確認。

特に、毎月の支出に「無自覚な増加」があると、黒字転換は難しくなります。
毎月「何にいくら使っているのか」を見える化し、数値で把握する習慣を持ちましょう。

まとめ:黒字経営のカギは「日々の数字」

ランニングコストを正しく把握し、計画的に管理することは、カフェ経営の基盤です。
「安定して続ける」ためには、収支のバランスを常にチェックし、早めに改善アクションを取ることが重要です。

特に開業初年度は、設備投資のローン返済や認知獲得に費用がかかるため、キャッシュフローの見える化無理のない経営設計がポイントになります。

次回予告:第19回は「メニューの価格設定と値上げのタイミング」

原材料費の高騰が続くなか、「価格設定」に悩むカフェも増えています。
次回は、適正価格の考え方と、値上げの伝え方・タイミングについてお届けします。

 
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