第29回:店舗オペレーションを支える“バックオフィス”戦略
カフェズライフのカフェ開業講座|実践型カフェスクールのブログ

売上は“お店の裏側”で決まる
人気店は例外なく、バックオフィスの仕組みが強いお店です。
実は、お客様の目に見えない部分こそが、売上と利益を左右します。
例えば、以下のような課題が積み重なると、スタッフの疲弊や原価悪化、機会損失を招きます。
- 在庫切れで販売機会を逃す
- 仕込み量が過多で廃棄増加
- シフト過多で人件費率が上昇
- 役割分担が曖昧で業務停滞
バックオフィスとは、「利益体質をつくる内臓機能」。
今日から改善できる仕組みづくりを紹介します。
① 在庫管理:売れる量を予測する“需要感覚”
在庫管理のゴールは“欠品ゼロと廃棄ゼロ”。
そこで有効なのが、売上履歴と天候・曜日を掛け合わせる簡易予測です。
- 売上が強い曜日をA/中位をB/弱い曜日をCに分類
- 天候係数(晴:+10%、雨:-15%など)を適用
- 販売数の閾値(最小仕込み量)を決める
シンプルですが、最も廃棄が減る方法。
データが足りない開業初期は、翌日につながる食材を優先します。
② シフト設計:人件費率を守る稼働最適化
シフトは「勘」ではなく「数字」で組むのが基本。
特に押さえる指標は次の3つです。
- 人件費率:売上に対して25〜30%以内
- 繁閑差:ピークは“増やす”、谷は“削る”
- 掛け持ち可能なスキル=可動力の高いチームづくり
たとえば…
仕込み担当(朝)→レジ補助(昼)→片付け(夕方)
1人で3役できるだけで、シフトは大幅に軽くなります。
③ 業務標準化:誰でも同じ品質を出せる仕組み
人気店ほど「マニュアルに依存しないマニュアル化」をしています。
- レシピ・工程は写真+動画で可視化
- 新人はチェックリストを使う
- 役割を「いつ・誰が・何を」で固定化
属人化を減らせば、休んだら回らない店から卒業できます。
④ データ管理:数字で現場を最適化する
バックオフィスの仕組み化には、最低限のデータ管理が必要です。
- 日次:売上/客数/客単価/原価率
- 週次:廃棄量/シフト効率/レビュー分析
- 月次:メニュー別利益/投資回収進捗
数字は、スタッフの頑張りを可視化し、正しい改善を導いてくれます。
まとめ:バックオフィスは“お客様の笑顔”を裏で支える力
オペレーションは目立たないけれど、欠かせない土台。
仕組みが整うほど、接客に“余白”が生まれ、心を満たす時間が増えます。
明日からできる一歩:
- 廃棄・欠品の振り返りを毎日10分
- 繁閑差に合わせたシフト再設計
- マニュアルは写真と動画に統一
お店の裏側を整えることが、お客様の笑顔を守る最短ルートです。
次回予告:第30回は「開業後の集客を支える“地域コミュニティ戦略”」
常連さんが自然と増えていく仕組みとは何か?
次回は、地域と共に成長するカフェ作りを深掘りします。
