第20回「カフェ運営に役立つ会計・数字の基本」
カフェズライフのカフェ開業講座|実践型カフェスクールのブログ
なぜ「数字」がカフェ経営に必要なのか?
「数字に弱くてもカフェはできる」と思っていませんか?実際、多くの小規模飲食店が開業3年以内に閉店してしまう主な要因のひとつが、数字(会計)の管理不足です(中小企業庁 事業継続データ 2024年版)。
会計を学ぶことは、単に売上や経費を記録するだけでなく、お店の現状を知り、未来を見通す経営力を育てる第一歩です。
① 日々の記帳:まずは“見える化”から
記帳はすべての数字管理の出発点です。エクセル、freee、マネーフォワードなどの会計ソフトを活用することで、簿記の知識がなくても簡単に記録できます。
- 売上:日別・週別・月別に把握。時間帯ごとの分析も有効。
- 仕入:取引先別、メニュー別のコスト把握。
- 固定費:家賃・水道光熱費・人件費などは月単位で。
▶おすすめ:毎週1回、最低30分の「数字の振り返りタイム」を作る習慣を。
② キャッシュフローを把握する:黒字でも倒産する理由
「利益が出ているのにお金が足りない…」それはキャッシュフローが悪化している証拠です。
家賃や人件費などは「売上が入る前」に出ていくため、資金繰りに注意が必要です。
- 入金サイクル:現金かカードか、売掛の有無
- 支払いタイミング:仕入先への支払日、家賃の引き落とし日
▶月に一度、資金繰り表(入金予定と出金予定を一覧化)を作成することでリスク管理が可能です。
③ 利益率とKPIの管理:利益を残すための数字感覚
「売上=利益」ではありません。以下のKPIを定期的にチェックしましょう:
- 粗利率:売上−原価÷売上(目安は60〜70%)
- 人件費率:売上に対して人件費が占める割合(目安は25〜30%)
- FL比率:Food+Labor(理想は合計で60%以下)
たとえば、月商100万円のカフェで人件費が35万円、原価が30万円ならFL比率は65%。
利益を出すためには、このバランスの見直しが必要です。
④ 損益分岐点の把握:黒字ラインを知る
毎月の固定費をカバーするために、どれだけ売上が必要かを知るのが損益分岐点分析です。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷(1 − 変動費率)
例:固定費40万円、原価率30% → 40万 ÷(1−0.3)=約57万円
つまり、月商が60万円を下回ると赤字になる構造です。
▶毎月このラインを超えているかどうか確認する習慣が、経営安定のカギとなります。
⑤ 数字は“未来の行動”に活かす
記録した数字は、過去の振り返りではなく、次のアクションに活かすための武器です。
- 売上が下がった曜日・時間帯 → 集客施策を打つ
- 原価が高すぎるメニュー → レシピ見直しや値上げを検討
- 人件費が膨らんでいる → シフトの見直し
数字を「怖いもの」ではなく、「経営の味方」として付き合うことで、お店の未来は大きく変わります。
まとめ:数字に強いカフェは、長く愛される
・数字はお店の健康診断結果
・記帳 → 分析 → 改善 を習慣化しよう
・難しく考えず「知ること」から始めよう
経理が苦手でも、基本を押さえるだけで黒字化や事業継続率は格段に上がります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回予告:第21回は「リピーターを生む接客・サービスの基本」
「また来たい!」と思ってもらえる接客とは?
次回は、カフェの“人の魅力”を最大化する接客マインドと仕組み作りについてご紹介します。