開業&スクール情報

Information

第34回 「“この店、なんかいいよね”を言葉にする方法」

カフェを続けていると、
ふと立ち止まる瞬間があります。

忙しい日々の中では流してしまいがちな問いですが、
実はこの違和感こそが、お店が“次のフェーズ”に進もうとしているサインでもあります。

今回は、
「“この店、なんかいいよね”をどう言葉にしていくか」
その考え方を、順を追って整理していきます。


1.「なんかいい」は、感覚ではなく“結果”

「なんかいいよね」

この言葉は、とても曖昧に聞こえます。
ですが実は、これは感想ではなく、結果です。

つまり「なんかいい」とは、
言葉にできない価値が、すでに機能している状態

問題は、
それを店主自身が自覚できているかどうか、
ただそれだけなのです。


2.言語化とは「強そうな言葉を作ること」ではない

言語化と聞くと、こんなイメージを持たれることがあります。

もちろん、それも一つの手段です。
ですが、愛され続けるカフェにおける言語化は、もっと内側の作業です。

それは、

「自分たちは、何を大切にしてきたのか?」を確認すること。

意図的でなくても構いません。
結果として残っているものの中に、
あなたの店の“軸”があります。


3.言葉は「お客さまの中」にすでにある

言語化が苦手な方に、ぜひ試してほしい視点があります。

それは、お客さまの言葉を観察すること

たとえば、

これらはすべて、
すでに言語化された“選ばれている理由”です。

自分でゼロから生み出す必要はありません。
拾い、並べ、共通点を見るだけでいいのです。


4.「なんかいい」を言葉にすると、判断がブレなくなる

言語化が進むと、
お店づくりが少しずつラクになります。

なぜなら、

からです。

たとえば、

「一人でも、気を張らずに過ごせる場所」

と自分たちで理解できていれば、

言葉は、経営のブレーキにもなります。


5.言語化は「完成」させなくていい

強みの言語化は、
一度決めたら終わり、ではありません。

だからこそ、

「今の自分たちは、どう言えるだろう?」

と、定期的に問い直すことが大切です。

完成を目指さず、
更新し続ける前提で持っておく。
それが、長く続く店の言語化です。


おわりに|「なんかいい」は、すでに答えの途中にある

「なんかいいよね」

この言葉をもらえている時点で、
あなたのカフェには、もう“語る価値のある何か”があります。

あとはそれに、
そっと名前をつけてあげるだけ。

大きくなくていい。
立派でなくていい。
あなたの店に、しっくりくる言葉でいい。

「愛され続けるカフェ」は、
自分たちの“なんかいい”を、ちゃんと理解しているカフェ
です。


【次回予告|第35回】

次回は、「言語化した強みを、メニュー・空間・発信にどう落とすか?」をお届けします。

見えてきた強みを、実際の店づくりにどう反映していくのか。
具体的な落とし込み方を解説していきます。

 
ブログ一覧