カフェを続けていると、
ふと立ち止まる瞬間があります。
忙しい日々の中では流してしまいがちな問いですが、
実はこの違和感こそが、お店が“次のフェーズ”に進もうとしているサインでもあります。
今回は、
「“この店、なんかいいよね”をどう言葉にしていくか」
その考え方を、順を追って整理していきます。
「なんかいいよね」
この言葉は、とても曖昧に聞こえます。
ですが実は、これは感想ではなく、結果です。
つまり「なんかいい」とは、
言葉にできない価値が、すでに機能している状態。
問題は、
それを店主自身が自覚できているかどうか、
ただそれだけなのです。

言語化と聞くと、こんなイメージを持たれることがあります。
もちろん、それも一つの手段です。
ですが、愛され続けるカフェにおける言語化は、もっと内側の作業です。
それは、
「自分たちは、何を大切にしてきたのか?」を確認すること。
意図的でなくても構いません。
結果として残っているものの中に、
あなたの店の“軸”があります。

言語化が苦手な方に、ぜひ試してほしい視点があります。
それは、お客さまの言葉を観察すること。
たとえば、
これらはすべて、
すでに言語化された“選ばれている理由”です。
自分でゼロから生み出す必要はありません。
拾い、並べ、共通点を見るだけでいいのです。
言語化が進むと、
お店づくりが少しずつラクになります。
なぜなら、
からです。
たとえば、
「一人でも、気を張らずに過ごせる場所」
と自分たちで理解できていれば、
言葉は、経営のブレーキにもなります。

強みの言語化は、
一度決めたら終わり、ではありません。
だからこそ、
「今の自分たちは、どう言えるだろう?」
と、定期的に問い直すことが大切です。
完成を目指さず、
更新し続ける前提で持っておく。
それが、長く続く店の言語化です。
「なんかいいよね」
この言葉をもらえている時点で、
あなたのカフェには、もう“語る価値のある何か”があります。
あとはそれに、
そっと名前をつけてあげるだけ。
大きくなくていい。
立派でなくていい。
あなたの店に、しっくりくる言葉でいい。
「愛され続けるカフェ」は、
自分たちの“なんかいい”を、ちゃんと理解しているカフェです。
次回は、「言語化した強みを、メニュー・空間・発信にどう落とすか?」をお届けします。
見えてきた強みを、実際の店づくりにどう反映していくのか。
具体的な落とし込み方を解説していきます。