
カフェ経営をしていると、必ずどこかで「詰まり」を感じます。
この“詰まり=ボトルネック”を見つけて外していくことが、実は「売上アップ」よりも先に取り組みたい、とても大事なテーマです。
今回は、そんなボトルネックを少しずつ解消していくための“改善の考え方”を、やさしくまとめていきます。
「売上を上げたい」という目標はとても大切ですが、実はその前にやるべきことがあります。
それは、“詰まっているところをゆるめる”こと。
たとえば、
こうした状態では、どれだけ新しい集客施策をがんばっても、疲れてしまうだけで成果につながりにくくなってしまいます。
ボトルネックは、目に見えている問題よりも、その“奥側”に隠れていることがほとんどです。
例えば、
表に出ている“現象”だけを見て解決しようとしても、根っこが変わらないままなので、また同じ問題がやってきます。

改善の第一歩は、
「何が詰まっているのか」を言葉にしてみることです。
具体的には、ノートや紙に書き出しながら、次のような視点で整理してみます。
「なんとなく大変」から、「ここが大変なんだ」と見えるようになるだけで、解決策の方向性がぐっと明確になります。
ここからは、カフェでよくあるボトルネックをいくつか挙げながら、改善のヒントを見ていきましょう。
「売上が伸びない」と感じたときは、まず「来店理由」に目を向けてみます。
理由がはっきりしてくると、強みや伸ばすべきポイントが見えやすくなります。
メニューが増えるほど「仕込み」「オペレーション」「原価管理」が複雑になり、ボトルネックになってしまうことがあります。
そんなときは、メニューを次のような“型”に整理してみてください。
「この型に当てはまらないものは、一度お休みしてみる」などのルールを設けると、仕込みも売り場もすっきりします。
人手不足の悩みは多いですが、必ずしも「スタッフを増やす」だけが正解ではありません。
まずは、1日の作業をざっくりと分解してみましょう。
それぞれの工程で、
と問い直してみると、導線の組み替えや、仕事の渡し方を変えるだけで負担が軽くなるケースも多くあります。
改善というと、「大きく変えなきゃ」と思いがちですが、実際には小さな変化で十分です。
そんな小さな変更が、1日の「ちょっとラク」を生み、そのラクが積み重なることで、お店全体の雰囲気や余裕にもつながっていきます。
改善の目的は、
お店が少しラクになることです。
ラクになった分だけ、
この「余白」が、長く続くカフェづくりにとって、何よりのエネルギーになります。
Cafe’s LIFE の卒業生カフェも、ほとんどのお店が、
「詰まり → 改善 → 次のステージ」
というプロセスを何度もくり返しながら、お店と地域の関係性を育てています。
卒業生カフェ紹介サイト「Cafe no WA(カフェの輪)」では、
など、ボトルネックを乗り越えてきた先輩オーナーたちのヒントに出会えます。
「一人で悩まないための場所」として、ぜひときどき覗いてみてください。
第33回は「カフェの“強み”を見つける方法」をテーマにお届けします。
自分では気づきにくい魅力を、どのように見つけて、どう磨いていくのか。
“売れるカフェ”ではなく、“愛され続けるカフェ”のつくり方を、具体例とともに紐解いていきます。